あおり足歩行の流れ
フットケア, 巻き爪

巻き爪予防グッズに頼らないセルフケア

必要なものは家にあるタオルだけ。まずはこのページで紹介する正しい歩き方と、ストレッチ・トレーニングで巻き爪予防を始めませんか?

アール スプリング、理学療法士の近藤です。

このブログでは、しばらくの間巻き爪シリーズをご紹介していますが、今回はその最終回「巻き爪予防の歩き方」についてです。
爪は本来巻く性質と考えられており、それを予防するには適度に歩いて足趾(特に親指)に重心をかけることが大切です。

ただ歩き方によってはうまく親指に重心がかからない場合もあるので、今回はそうならないための正しい歩き方を紹介します。


1.正しい歩き方のポイントは足底の重心移動。

以前のブログで足裏のタコ&ウオの目予防の歩き方として「あおり足歩行」をお伝えしましたが、その重心移動が巻き爪予防にもなります。

「あおり足歩行」の流れ

①踵から地面に着地します。
②土踏まずを避けて足の外側に重心移動します。
③前足部の小指側に重心をかけます。
④親指中心に重心をかけて、足趾全体で地面を蹴ります。

あおり足歩行の流れ

巻き爪になりやすい方は、地面を蹴り出すときに親指に重心のかからない方が多いです。

まずはこのあおり足歩行を意識することが大切です。


2.巻き爪予防には足趾で踏ん張る力が大切。

昔と比べて今は便利な世の中になり、歩く機会が減ったり履物も進化して足に負担がかかる機会も少なくなっています。

昔は裸足で歩いたり、わらじなど足指に力のかかる機会が多かったのですが、今はその力(足趾把持力)が弱くなっています。

足趾把持力とは、5本の指で地面を押さえる力のことで、その7割が親指にかかります。

足趾把持力のイメージ

この力が維持できると、歩行時のバランスが改善し効率よく歩けるので、巻き爪予防だけでなく転倒防止にもつながります。


3.足趾把持力をつけるには?

ストレッチ→トレーニングの順に行います。

①足趾のストレッチ
足趾を一本ずつ軽く伸ばしたり回したりして、固さを取ります。
足首も上下に10回程度繰り返し動かします。

②つま先立ちストレッチ
立位で両踵を挙げて、つま先立ちをします。10回程度繰り返します。

③タオルギャザー
座位で、足の下に広げたタオルを足趾全体で手前に繰り返し手繰り寄せます。

④足趾の踏ん張り運動
立位、または座位で床についた足趾の腹側全体で均等に床を押します。

足趾踏ん張り運動

どのストレッチ・トレーニングも簡単のようですが、筋肉や骨の位置が複雑に作用する動きですから、試してみて違和感があったり、体の痛みがあったら、施術や整体が必要かもしれません。詳細につきましては当店にお問い合わせください。

巻き爪のセルフケア
巻き爪

巻き爪の治し方 自分でどこまでケアできるか?

アール スプリング、理学療法士の近藤です。

前回のブログで巻き爪になる原因についてお伝えしましたが、今回は巻き爪予防のセルフケアについてです。

巻き爪は爪(特に親指)に負担のかかることが原因となるので、負担がかからないようにすることが大切です。

セルフケアは主に爪の切り方や靴の選び方、清潔に保つ、歩き方が挙げられます。

歩き方については次回のブログでお伝えします。

セルフケア

①爪の切り方

私自身そうでしたが、指(皮膚)の形に沿って両端を丸くカットしたくなりますが、爪が皮膚に食い込まないように両端を少し残して切る「スクエアカット」をして、仕上げに両端をヤスリなどで少し整える「スクエアオフ」をすると良いとされています。
深爪や爪を伸ばしすぎず、皮膚の先端と同じ長さにするのがポイントです。

②靴の選び方

歩くときに足は、靴の中で1センチ程度前後移動すると言われています。

そこでつま先から靴の先まで、1〜1.5センチ程度余裕があるものがお勧めです。
指の上下のスペースにも余裕があるものを選びましょう。

また、足首がしっかり固定されないと足が前に動き、爪が圧迫されて巻爪の原因になります。

正しい靴の履き方のポイントは、踵を床で軽くトントンと叩き、踵の位置をあわせてからその状態で足首を固定します。

③清潔に保つ

巻き爪の直接的な原因では無いものの、爪や皮膚の病気が原因で巻き爪となることもあるので、角質除去など日頃から清潔に保つことが大切です。

いかがでしたか?

今まで気づかずに爪に負担をかけていたことがあったのではないでしょうか?

次回は爪に負担のかからない歩き方、についてお伝えします。

巻爪と陥入爪
巻き爪

巻き爪や陥入爪の原因について

アール スプリング、理学療法士の近藤です。

今回は「巻き爪や陥入爪が起こる原因について」お伝えします。
当店のお客様に伺うと、普段足の爪に痛みはないが内側に巻いている、と言われる方が結構いらっしゃいます。

巻き爪は痛みはないか軽症だが、爪が内側に湾曲していく状態をいいます。
それに対し陥入爪は、爪の両端が皮膚に食い込み、炎症が起こって痛みや腫れなどが出ている状態をいいます。

巻き爪と陥入爪

爪は何もしなくても内側に巻いてしまう傾向があり、歩くことで地面からの圧力で爪を広げる力となって爪の形を保っています。

正常な詰めの状態と巻爪の状態

また、巻き爪の多くは親指になりやすいです。
それは指の末梢骨(指先にある爪の土台となる骨)が先細りの形状をしており、親指はこれに対して幅が広いので、骨が支えられない両端が湾曲しやすくなることが原因、と言われています。

それでは巻き爪や陥入爪になる原因についてです。

①環境要因

  • 足先の幅の狭い靴など、窮屈な靴を履き続けると、指が圧迫されて上から爪を巻く力が強まります。
  • 高齢の方や療養中で足に体重のかかる機会が少ない方や、足の指を地面につけない歩き方(浮き指)の人は、地面から爪を押し上げる力が弱くなり、巻き爪になりやすいです。
  • 指の切る時に深爪をすると、爪を下から支える面積が狭くなり、巻き爪や陥入爪になりやすいです。

②遺伝的要因

  • 足や爪の形が遺伝することがあります。

③病的要因

  • 外反母趾などで指が変形すると、下から爪を押し上げる力が均等にかからず、巻き爪になりやすいです。
  • 爪白癬(爪の水虫)や腫瘍によって爪が巻くことがあります。
  • 肥満は爪に過剰な負担をかける上、爪の周りの皮膚が盛り上がっていると、爪が食い込んで陥入爪になりやすいです。

いかがでしたか?
該当するものはありましたか?

今回は原因についてお伝えしましたが、次回は対処法(セルフケア)をお伝えします。