アール スプリング、理学療法士の近藤です。
今回は女性に圧倒的に多く、日本では特に65歳以上の女性の約4割がなっている、と言われている外反母趾についてお伝えします。
①外反母趾とは
足の親指が「く」の字に曲がり、付け根の関節が突き出て、足を正面から見ると親指が外側へねじれるように変形している病気です。

突き出た部分が靴で圧迫されると炎症を起こして痛みが生じ、痛みで歩きづらくなる事はもちろん、そこをかばって膝や足首まで悪影響が出ることがあります。
②外反母趾の原因
女性、特に65歳以上の女性に多いのは、関節が比較的柔らかかったり筋力が弱かったりするため、と考えられています。
外反母趾の1番の原因は靴です。靴を履く機会が多いと、親指が圧迫されて外反しやすくなります。
特に先細りの窮屈な靴やハイヒールを常用する人がなりやすいです。
足の形も関係があり、親指が最も長い「エジプト型」と言われる足の人は、親指が靴に当たって曲がりやすいです。

また、重要な外反母趾の原因として、足裏のアーチの崩れがあります。
横アーチが崩れて足指の付け根がべったりと地面につく開張足や、足裏の内側の縦アーチが崩れる偏平足は、足指が靴に圧迫されて痛みが出やすくなります。


③外反母趾の治療
治療は痛みを緩和し、症状を悪化させないための保存療法が基本になります。
保存療法は主に次の通りです。
◯靴の選定
高すぎない踵の高さ(3センチまで)で、実際に履いてみて爪先に1〜1.5センチ程度の余裕があり、踵と甲がしっかりとホールドされているものが理想です。
◯運動療法
足裏や足指の筋肉を鍛えることで、痛みを軽減することができます。
これについては、後ほど詳しくお伝えします。
◯装具療法
親指の付け根を保護するパッドや、外反母趾用の足底挿板(インソール)を使って痛みを軽減する方法です。
◯手術
変形が重度で痛みが強かったり、保存療法で改善が見られない場合は手術が検討されます。
④外反母趾の運動療法(セルフケア)
足裏や足指の筋肉を鍛えて、失われたアーチを回復させます。
◯タオル握り

効果:足底筋群を鍛えて横アーチを回復。
- 椅子に座って、足の前に丸めたタオルを置く。
- 両足でタオルを足裏全体で握る。
- 1回10秒とし、繰り返し1分間行なう。
◯足指屈伸

効果:足指を鍛えて柔軟にする。
- イスの背などにつかまって立つ。
- 息を吸いながら踵を上げ、足指だけで立ち5秒キープ。
- 息を吐きながら5秒かけて踵を下ろす。
- 繰り返し1分間行なう。
◯踵立ち

効果:爪先を引き上げる筋肉を鍛える。
- イスの背などにつかまって立つ。
- 息を吸いながらゆっくり爪先を上げ、踵だけで立ち、自然に呼吸しながら5秒キープ。
- 口から息を吐きながら、5秒かけて爪先をおろす。
- 繰り返し1分間行なう。
◯重り足上げ

効果:後脛骨筋を鍛えて、足裏の縦・横アーチを回復。
- 椅子に座り、片足のふくらはぎをもう一方の太ももの上に乗せる。
- レジ袋などに1キロ程度の重さのものを入れて、足の土踏まずにかける。
- 重りをかけた方の足の爪先を、10〜30回上げ下げする。
- 反対の足も同様にして、両足で1分間行なう。
※重りがきつい場合は重りをかけずに、足の爪先の上げ下げのみ行なう。

外反母趾が気になる方はぜひストレッチ整体とともに期間限定の「足整体」をお試しください。