先日、リモートワークでの長時間のパソコン作業で、肩がある一定の角度で上がらなくなったお客様からご質問をいただきました。

五十肩とは
五十肩は肩関節周囲炎の一種で、
- 50歳代を中心とした中年以降に好発。
- 肩を動かした時、または、安静時や夜間時に痛みが出る。
- 肩前方を中心とした痛みと、肩関節の可動域制限が生じる。
- レントゲンなどの画像検査で、特に異常を認めない。
という特徴があります。
この症状は明らかな原因がなく、肩関節の退行変性(加齢による消耗)によって発症すると言われています。
日常生活では衣服の着脱や結髪、洗髪などが困難になります。
五十肩の病期
病期には急性期、慢性期、回復期3つのがあり、各病期は4ヶ月程度で、全体として1年ほどの経過で治癒するとされています。
急性期
病態としては炎症。
疼痛が最も強い時期で動かすことはもちろん、安静時や夜間時にも痛みが出ます。
この時期では患部を安静にし、患部に負担をかけないことを心がけます。
肩関節内への注射療法も行う場合があります。
慢性期
病態としては拘縮(関節のこわばり)。
動かしたときに痛みによる可動域制限が見られます。
患部の保温や運動療法による可動域訓練(コッドマン体操、介助挙上運動など)を行ないます。
回復期
炎症も拘縮もなく、肩関節まわりに多少のひっかかり感を感じます。
慢性期での運動療法と患部の保温の継続、肩関節周りのストレッチを加えて肩関節周りの柔軟性を回復させます。
五十肩へのセルフケア
急性期(痛みの最も強い時期)は患部に炎症が起きているので、運動よりも患部の保温や安静、そして負担をかけないことを優先しますが、炎症が落ち着いてきたら積極的に運動療法をおこないます。
痛いからといっていつまでも肩を動かさないでいると、肩関節周りのこわばりがなかなか取れず回復が遅れるので、痛みを我慢できる程度に次にご紹介する運動療法をお勧めします。
①コッドマン体操

- 足を肩幅程度に開きます。
- 上体を前に倒し、痛みが出ている側の上肢(腕)を振り子のように動かします。
- この時、肩から腕を脱力して腕をダラ〜ンと垂らし、体全体を動かしながら腕を動かした方が効果的です。
- 右回し、左回し、前後と、各30秒ほど疲れない程度に繰り返し行なってください。
②腕を上げやすくするストレッチ

- 上体を曲げて、テーブルまたは椅子に両手を置きます。
- 両手の位置を動かさず、お尻を後ろに引きます。
- この状態を5秒キープし、疲れが出ない程度に繰り返し行ないます。
- 背中〜腰が丸くならないように、お尻だけを引くのかポイントです。
このブログをご覧になった方は早速試してみてください。